寄席でステーキを
平成七年(一九九五)、四月。日暮里で寄席があり、彼も出るというので、唐沢氏と行った。出演者は、快楽亭ブラック氏、立川談之助氏、川柳川柳氏、桂あやめ氏などであった。彼はミッキーマウスの帽子を被り、大喜利に出演。女王様役のあやめさんを順々に誉めるというテーマ。一、意地悪い、二、妊娠し易い(誉めてない)などと若手噺家が順に言い、七、舐めたいなアヤメちゃん、八、やりたいなアヤメちゃん、と来て、最後が彼、九で、食いたいなアヤメちゃんと言い、大爆笑のオチで幕。これはなかなか面白かった。
それから七月下旬にも、今度は池袋の寄席で、また彼が出るというので行った。
出演は、また快楽亭ブラック氏、山本竜二氏、早乙女宏美嬢などもいた。観客では、私に秘書、唐沢氏に鈴木邦男氏、マンガ家の根本敬氏、友沢ミミヨ氏なども来ていた。
彼はコントで、裸になった宏美嬢を仰向けにし、そのおなかの上でビフテキを食うという、非常に下らないことをやっていた。しかもナイフとフォークを使うので、彼女の肌まで傷つけそうで、私の後ろの席にいた鈴木氏が「危ない危ない」と声を出していた。
彼も、人食いと言われて怒るのだから、こんなコントやめれば良いのに、GONではコックの格好をして裸体の金髪美女の前で包丁を構えたグラビアを載せたりするのだ。実に困ったものである。
そしてこの年、同じ七月に新宿のロフトプラスワン(冨久町の頃)に初めて行った。
彼と根本敬氏との対談で、実に面白かったのと、このようなトークライヴの場があることに驚いたものだった。のち、私自身が何度も一日店長をするとは、その時は夢にも思っていなかった。
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